著者:雨滴堂
ページ数:64

¥333¥0

Twitter発、雨滴堂による詩集。
2020年から2021年の既発表作品を収録。

子を思うとき、ほかの人をも思っています。

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(収録作品)

  1. 見知らぬあなたへ~事件の後に~
  2. 薬物語
  3. 虚実の狭間
  4. 百年ダイアローグ
  5. 悠久のひと月
  6. 真冬の夢
  7. 残飯の果てに
  8. ある自死のあと
  9. もし子どもが手を離れたら
  10. 四合院の夢
  11. 永久の祈り
  12. 鬱以上自死未満
  13. ことのはのわたし
  14. 遠い日の薄紅色
  15. サバイバーの祈り
  16. さよなら、思い出の
  17. 未成仏願望

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(収録作品『サバイバーの祈り』より)
わたしはわたしのための遊園地に連れて行ってもらったことがなくても
こどものためにこどもの好きそうな こどもの喜びそうな遊園地に行きます
わたしはわたしのための旅行に連れて行ってもらったことがなくても
こどものためにこどもの好きそうな場所に こどもの喜びそうな土地に旅行に行きます

わたしは殴られ打たれ怒鳴られてとても嫌でしたので
こどもには決してそれらをしません
わたしは締め出され閉じ込められ放り出されてとても孤独でしたので
こどもには決してそんなことをしません
わたしは侮辱され辱められ馬鹿にされてとても惨めでしたので
こどもには決してそんな態度を取りません
わたしはわたしの体も心もわたしに所有権がないように扱われて
今も自分をよそよそしく感じて 生きる上で不便なことが 嫌になるくらいありますので
こどもには こどもの心身を 愛しく愛しく大切に尊重していることを折りに触れ伝え続けます

わたしの目の前には今も 赤い記憶が立ちはだかり 黒い感情が湧いて立ち
いくらそれらを拭っても 遅くきた怒りと遅くきた叫びとがまとわりついてそして離れず
聞き覚えのある怒号と罵声が 息をすることさえ阻むのですが
そんなこととは関係なく 毅然とこどもを慈しみます

わたしは強くも弱くもなく
わたしはただの人なので
傷の疼きに苛まれますが
そんな事情とは無関係のこどもを
ただ こどもとして人として 愛し 尊び 育みます

だれもわたしを愛さなかったので
わたしは救い難くからっぽですが
毒の未来へ広がるのを
阻むことだけは やり仰せます

一抹の羨みと妬みと僻みを 抱いてしまう短所もあります
そしてわたしはそれ以上に
こどもを守る 最高にふつうの親として生きている自分を
誇らしく思って 抱き締めます

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