著者:ごとう みほこ
ページ数:55

¥750¥0

その時は「もう遅い」と思っても、あとになれば「少しも遅くなかったんだ」という経験は誰にでもあるものだ。
この本は、国際報道の第一線で働いていた著者が、「まだ遅くない」と気づいたことから始まる。

ワンチャンスをものにして赤十字へ転身。カンボジアの義肢製作所での体験を日記と業務手帳をもとにつづった生の記録だ。カンボジアの田舎町の日常から、あまり知る機会のない義足工場のようす、橋のない川を越えなければたどり着けない元クメール・ルージュの砦へのフィールド経験、クーデターによる国外退避などの経験が語られている。

特に以下のような方におススメ。
・社会貢献したいと考えている方
・カンボジアや低所得国に関心がある方
・自分の夢に向かってヒントを探している方

義足を作りに来る人のほとんどが地雷被害者だ。被害にあう前の生活を取り戻そうと、マラリア汚染地域や雨季になると通行不能になる陸の孤島から、また、ポル・ポトで有名なクメール・ルージュの元支配地からもはるばるやって来る。来所者は、義足ができ、リハビリ訓練を終えるまで施設内の寮ですごす。故郷へ戻るのは約一か月後だ。

カンボジアは、アンコールワットの遺跡をめぐる観光が人気で、日本人も多く訪れる国だ。しかし数十年に渡る内戦、ポル・ポト政権下での圧政の悲惨な歴史があった。内戦で多くの人が犠牲になったが、そのひとつが地雷による被害だ。この本は、過去の事実を思い出させてくれると同時に、カンボジアの面白おかしい日常の出来事も書かれており、興味深い。
観光とは無縁の、もうひとつのカンボジアの姿を教えてくれるはずだ。

「努力すれば必ず夢がかなう」とは限らないが、「あきらめないことは大事」。あまり深刻に考えず、たまたま出会ったご縁と運の中で精いっぱい生きれば何とかなる、と著者は言う。

人生をやり直したり、変更したりするのではなく、つぎ足したい方に読んで欲しい。

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