著者:山崎 仲道
ページ数:342

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[商品について]
――地球には、約13億5000万立方キロメートルの水があるといわれていますが、そのうち淡水の占める割合は何%でしょうか。
1.3%、2.5%、3.7%
正解は、本書第4章の「リサイクルと水」をご覧ください。

現在、我われが直面している環境や経済、エネルギー、食料などの問題は、それぞれがつながりを持って地球規模の危機となり、しかも悪化の一途をたどっている。本書は、これらの問題を解決するための鍵となる「水」に着目し、生命科学から政治まで、それぞれの専門家がリレー方式で新聞掲載した内容を再編成して分かりやすくまとめた作品である。水が持つ大きな可能性や水と他の物質との関わり、水の持つエネルギーなど、多彩な視点から「水」に迫った問題解決のための一書として、示唆に富む内容となっている。

[目次]
はじめに 山崎仲道
第1章 世界の水問題
かけがえのない水の惑星・地球 大平充宣
地球生命を維持する水 山崎仲道
世界の苦悩・水問題 山崎仲道
世界を救う新方式の電力ネット 西澤潤一
上海の水資源を確保するため、 新たな水源建設がスタート 周 琪・李 建華
中国の水環境改善取り組みに佐川町から提言を 橋掛直馬
水熱固化による黄河沈積泥砂の有効利用 景 鎮子
第2章 水の原理・生命と水
複雑系の水科学――非平衡・不均質の化学へ 山崎仲道
水の基本概念の劇的な進展 ラスタム・ロイ
活性水・機能水 久保田昌治
健康によい水とは? 大河内正一
おいしい水 今井嘉彦
生命を作る水――細胞でタンパク質形成 尾家慶彦
人体には水が必須! 大平充宣
体液分布の影響…
量の影響…熱中症
水が溶かすもの 守時正人
日本酒の命の源――水 竹村昭彦
人類発生期(第四紀)における海水準変動 満塩大洸
地球に命を与える水――堆積岩の生成 満塩大洸
第3章 生態系と水(環境と水)
腐葉土は森の恵み、国土の宝 長沼 毅
四万十川は本当に最後の清流か 長沼 毅
ニタリ鯨の定住の意味するところ 長沼 毅
地球温暖化と海の砂漠化 大野正夫
仁淀川上流域保全のための官・学・地域の連携 吾郷秀雄
都会より優位な地方 前田直己
地球温暖化と都市の水問題 山口克也
自然への入り口 宇賀孝敏
稚魚と遊ぶ 山崎道生
第4章 水と先進材料
生命と文明の源――水と鉄、例外の性質 鈴木朝夫
自動車と水 福嶋喜章
超臨界水を利用したハイブリッド分子合成 阿尻雅文
人と地球を考えた新しいかたち ――ネイチャー・テクノロジー 石田秀輝
水と石灰(CaCO3)からナノテクノロジー 細井和幸
リサイクルと水 三島健司
層状化合物をつくる 中平 敦
ダイヤモンドの水熱合成 山崎仲道
中国西部塩湖のマグネシウム先進利用 向  蘭
第5章 プロセス学
コンクリートはどのようにして固まるのか? 浅賀喜与志
セメントと水 前田直己
アスベストの選択染色 前田直己
電子レンジを使った材料合成の最初の試み スリドハー・コマネニ
雷で宝石をつくる話 中村光一
バイオマス油と蒸気――水と油は混ざるという話 山崎仲道
杉・竹の高度利用――土佐の新産業を目指して 山崎仲道
水蒸気養生で作るケイ酸カルシウム製品 真鍋 亙
水熱反応による有機廃棄物の処理 金 放鳴
亜臨界水によるスラリー状有機廃液から有価成分抽出 池田博史
油から水へ――これからの潤滑材 加藤康司
水の科学と鉄の科学 田中敏宏
水の中の燃焼でエネルギーを作る 長谷川達哉
有毒・有害物質の分解にも、 有機合成反応にも期待されている〝水〟 山崎友紀
第6章 エネルギーと水
エネルギー生産に欠かせぬ水 渡部康一
下水汚泥から発生する硫化水素で水素製造 田路和幸
原子力の客観評価 竹下 功
人工光合成は可能か 山崎仲道
天然ガスや石油は生命と非生命の間でできる? ホリタ・ジュスケ
持続可能な地熱利用と地下熱水の流路設計 橋田俊之
第7章 未来型プロジェクトの例
焼却灰からピラミッドを作ろう 山崎仲道
水を中核とした煙突のない文明未来 山崎仲道
未来型大型プロジェクトの提案 山崎仲道
第8章 終章
「水育」? 子どもたちに、科学するこころと夢を! 山崎友紀
昔の水道屋さんの話 榎並谷哲夫
命をつくる水――君の命よこの星とむすばれよ 山崎仲道
水の課題――基礎から応用まで 山崎仲道
地方の独立戦略 ――ウオーターアイランドを目指して 山崎仲道
特別寄稿
古代ローマの水事情 中倉玄喜
(一)ローマ小史
(二)公衆浴場
(三)水道
あとがき
執筆者紹介
参考文献

[出版社からのコメント]
生命にとって欠かせない存在である水ですが、これまで水という視点から私たちが抱える様々な問題が議論されることは多くなかったように思います。待ったなしで直面する様々な問題とどう向き合うのか、本書を通じて多くの方に考える機会を持っていただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
山崎 仲道(やまさき・なかみち)
大阪大学先端科学イノベーションセンター特任教授

高知大学理学部附属水熱化学実験所設立時から一貫して水熱化学に関する基礎から応用まで幅広く研究を展開。当時、時代遅れといわれていたシールドチューブの研究を継続。環境問題、廃棄物処理問題、PCBやダイオキシンなどの分解、重金属汚染問題高速反応を利用した閉鎖系連続処理の研究実績をあげ、大きな社会的要求にこたえる方法と学問であることが認識されるようになった。香川県に高温高圧流体技術研究所を設立、初代所長となる。高知大学退職後、KK.神島化学工業で技術研究所長を経て東北大学大学院工学研究科・地球工学専攻で地下高温岩体層での岩石熱水相互作用の研究、さらに環境科学研究科設立に伴い環境物質制御学講座を担当、環境問題における水の重要性を主張。退官後水の科学と技術に関する研究所を設立。地域発の先進技術育成に尽力。著書・総説・論文多数。国際会議主管6件。

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