著者:左山 遼
ページ数:197

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[商品について]
―土佐が生んだ先見的な思想の系譜を偲ぶ―
大逆罪によって刑死した幸徳秋水は、長くその汚名を雪ぐ機会も与えられないまま歴史の中に封印されてきた。敗戦を機に秋水の名誉は次第に回復されていき、その後の研究によって事件そのものが政治的な弾圧であったことや、秋水の先見的な思想に光が当てられ始めているが、2000年12月に出生地である旧中村市議会が満場一致で秋水の名誉回復決議を行うまでは、その名が語られることは多くはなかった。
本書は、坂本龍馬・中江兆民に続く郷土の先覚者として秋水を敬愛する著者が、2011年の没後100年を機に、その偉業を偲び郷里への想いと共に綴ったエッセイをまとめた作品である。同じく郷土の偉人である坂本龍馬に関する歴史エッセイと、歌人として日々の雑感をまとめたエッセイを併録する。

[目次]
第一章 歴史の小窓
誰が龍馬をつくったか
龍馬変身
真っ赤な嘘
慎太郎の二枚の写真
慎太郎の笑顔
一條房家公のこと
中村三万石と赤穂藩
道元と典座(てんぞ)和尚
武蔵の水墨画
不世出(ふせいしゅつ)の達人
第二章 生々流転
逝く春
亀焼きと焼ソバ
サッカーの不思議
矛 盾
嘆かわしい標語
吟 行
大衆理容
一期一会
春日影
ノンフィクション作家への手紙
雲の峰
美しい山
桜の一輪挿(ざ)し
栴檀(せんだん)異変
東洋の花
緑のいのち
松の凋落(ちょうらく)
椎の実
南予で考えたこと
古京への旅
「一握の砂」冒頭の歌
斎藤茂吉「赤光」十首
第三章 真冬の鎮魂曲(レクイエム)
幸徳秋水没後百年感懐
感銘深かった墓前祭
秋水の描いた絵馬
清々しい墓銘
秋水の書き残した龍馬像
竹久夢二と平民社
従容として死す  ―大逆事件の十二人―
坂本清馬翁の思い出
秋水の文章について
秋の螢
あとがき
著者略歴

[出版社からのコメント]
現在の様に画一的な教育制度が確立するまで、人はその土地の風土によって育て上げられ磨かれながら、独自の才能を開花させていった様に思います。本書を通じて、秋水や龍馬を育て上げた土佐の風土を、偉人の業績に思いを馳せながら楽しんでいただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
左山 遼(さやま・りょう)
1946年 高知県四万十市生まれ

著書に
随筆集「飛花落花」、「四万十川のほとりで」、「群青」
史誌「土佐の小京都中村」(共著)など
現住所:高知県四万十市

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