著者:桐生 清次
ページ数:235

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[商品について]
―その人は100年、善の種を蒔き続けてきた―
明治、大正、昭和の時代を生き、越後にある庵寺の庵主として70人の里子を育てるなど精力的に福祉活動を行い、周囲から慈母さまと慕われた木村霊山。黄綬褒章をはじめ数々の賞で功績を称えられたその人生は、いかなるものだったのか――不遇の幼少期を支えた叔母の存在や師匠の記憶、託児を行うようになったきっかけなど、その人柄を形作った生い立ちやこれまでの活動をまとめた『越後の慈母さま』に未発表原稿を加えた増補版。

[目次]
第一章 生んでもらっただけでありがたい
一、家族と離れて
砂糖餅を買ってやるよ
伯母の庵寺で暮らす
初めての托鉢
二、母親との再会
伯母の病気とカタクリ掘り
白馬(はくば)の馬糞水(ばふんすい)
中山の庵寺を追われて
この親不孝者
第二章 仏さまに導かれて
一、二度目の誕生日
お稲荷さまのお告げ
北へ五十里
桂よいとこ情あるところ
秀光の最期(さいご)
獅子舞(ししまい)とハッカ売り
法輪が訪ねてくる
川うそに会う
二、めぐりあわせ
人に助けられ、神仏に助けられ
子どもはやるが戸籍(こせき)はやれない
金は天下のまわりもの
舟大工になった八郎
善光寺参り
第三章 村に生きる
一、桂から大島へ
知足庵でのご縁
法輪の失踪(しつそう)
父母の死
二、村人とともに
総代さまと分家のじさま
お地蔵さまへの道づくり
貯金の解約
大阪のおばあちゃん
子どもの世話をはじめる
裁縫講習会から仕立屋まで
増太郎は村上中学校へ
嫁にいった法輪
伯母の名をついだコト
まんじゅう屋の一家
西の空に浮かんだご来迎(らいこう)さま
巫女(みこ)どん大はやり
第四章 まいてよいのは善の種
一、衆苦(しゆうく)を救わんと
お地蔵さまがあらわれる
辛い別れ
新保のおばあちゃん
音作との別れ
白いご飯を食べさせたい
庵主さま米を分けてください
台湾のおばあちゃん
東京のおばあちゃん
引き揚げてきた百合(ゆり)
二、戦後を生きて
保育所を建てる
あの子は諦めなさい
ヤギに育てられたしずえ
チビのちえ子
トミ子やみわ子たち
三姉妹
星野のおばあちゃん
最後の里子
三百三十八人の寄進
いつの間にか百年がたちました
庵主さま床(とこ)に臥(ふ)す
あとがき

[担当からのコメント]
貧しさは多くの人を不幸にし、立場の弱い子どもに悲劇をもたらしますが、本書はその対極にある豊かさが今の私たちに何をもたらしたのかということについても考えさせられる作品になっています。私たちは毎日何を蒔いて生きているのか、それは不幸の種なのか、幸せの種なのか、本書を読みながらそんな考えに耽る時間を楽しんでいただければ嬉しく思います。

[プロフィール]
桐生 清次(きりゅう・せいじ)
1933年新潟県生まれ。日本大学卒業後、東京大学にて教育心理学を学ぶ。
1970年から中学校で特殊学級を担任し、新潟大学講師、県特殊教育学会理事などおつとめる。
福祉活動にも力を入れ、知的障害者施設やトロイカ方式(行政、企業、施設、三者の提携)によるクラレ作業所の建設に力を尽す。
その間、NHK厚生文化事業団から心身障害福祉賞、新潟県特殊教育研究会から教育功労賞、新潟県手をつなぐ育成会から社会福祉功労賞、上村忠雄賞などを受ける。
著書に『この子たちと共に生きる』(北越出版)『先生大好き』(一休社)『次の世は虫になっても』(NHKドラマ選奨、文化庁芸術祭参加)『捨てられしいのちかつぎて』(日本図書館協議会選定図書、柏樹社)『最後の瞽女―小林ハルの人生』(日本図書館協議会選定図書、文芸社)など。
現在、社会福祉法人七穂会理事、知的障害者授産施設・虻の家園長、新潟県立女子短期大学非常勤講師。

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