著者:なかたに ゆか
ページ数:129

¥500¥0

この本を手に取ってくださったあなたは、こんなことで困っていませんか?

「読み聞かせをしてみたいけど、どんな絵本が子どもにいいのかわからない」
「読み聞かせをしてみたことはあるけど、自分が知っている絵本が少なくて継続できない」
「本屋さんや図書館に行ったら絵本はたくさんあるけど、多すぎてどれを読んだらいいのか選べない」
「絵本を読んだら確かに子どもは喜ぶけど、他にしないといけないことが多いから、とてもその余裕がない」
「今年の学級の子どもたちは落ち着かないから、静かに読み聞かせを聞くなんて無理」
……などなど。

「読み聞かせをしてみたいです」
「絵本を知りたいです」
そうおっしゃる先生方の多くが、このようなお困りごとをお持ちです。

実は、読み聞かせは子どもたちが喜ぶし、学級経営の上でもとてもよい効果があるのをご存知だからこそ、このようなお困りごとが発生するのだと思います。
はなからやる気がなければ、困ることもないのですから。

この本は、そんなお困りごとをお持ちの先生方のために、私がこれまで教室や家庭で読んできた絵本や、学校図書館の司書さんにおすすめいただいた絵本の中から、子どもたちの反応がよかったものを選んだ「おすすめ絵本ガイドブック」です。

特に、新年度が始まってすぐ使えるように、新しく担任した子どもたちを、読み聞かせでひきつけることができるように、「読み聞かせスタートガイド」としても使えるよう、選書にこだわりました。

もちろん、子どもたちの反応のよさは折り紙つきですので、年度途中にこの本を読まれた先生もご安心を。
「読んでみようかな」と思った時が始めどき。
絵本を手に入れて、ぜひ子どもたちに読み聞かせをしてみてくださいね。
子どもたちの反応のよさに、「じゃあまた次も」の連鎖が起きるはずです!

* * *

私は、学級担任をしていた頃、決まって子どもたちに絵本の読み聞かせをしていました。
絵本が好きなこともあって、読む絵本は学級文庫に揃えていました。
大量の本のための棚は持っておらず、教室後ろのランドセルを入れるロッカーの上に、ずらりと絵本や物語の本を並べていました。絵本は一冊一冊の厚みはそこまでではないので、200冊以上は並べてしまえるのです。

時々教室を訪れる先生方や、他のクラスの子どもたちにびっくりされるくらいの量ではありました。

でもそれは、先生になってずっとそうだったかというと、そんなことはありませんでした。
先生になって最初の数年間は、読み聞かせを一切していなかったのです。

もっと言えば、子どもが生まれても約一年間は「我が子に絵本を読んであげる」という発想がありませんでした。

本というものは、字が読めるようになった子どもが勝手に読むものだと思っていたのです。

子どもに絵本を買うのは、字が読めるようになってから。まあ、せいぜい保育所の年長さんか年中さんか、そんな頃かな、と漠然と思っていました。

それが意外と早い時期に絵本と出合うことになったのは、長女が1歳になる直前のことでした。

夫が、長女のクリスマスプレゼントにと、絵本を買ってきたのです。
記念すべき、我が家の初めての絵本は、『ノンタン いないいな~い』と松谷みよ子の『いないいないばあ』。まだ言葉も話せない長女でしたが(11ヶ月ですから当然です)、絵本を読んでもらうのは喜んでいたことが新鮮で、我が家にノンタンシリーズが増えました。
今から思うと、長女にとってはノンタンがどうこうより、両親に絵本を読み聞かせてもらうことがうれしかったのではないかという気がしています。

その後、いろいろなできごとや出会いがあり、私は絵本の読み聞かせにはまっていくことになりました。
家庭だけでなく、教室でも読み聞かせをするようになりました。
絵本はたくさんあるので、ネタが尽きることはありませんでした。
「今度は○○があるからあの本を読もう」「この本読みたいけどどのタイミングがいいかな」
と考えるのも楽しみの一つになりました。

サークル(先生たちの学習会)に参加して、それぞれが自分の実践をホームページにアップしていこう!という動きが盛んになった時期がありました。
その時私が作ったホームページは、「教室で読み聞かせた絵本の紹介」でした。

他の先生方のように論文を次々アップすることができなかった私がとった苦し紛れの策でしたが、意外とこれが人気で、「絵本の読み聞かせの情報は必要だよ」と多くの先生方に励ましていただきました。

また、サークルの機関誌に、「こんな時にこの絵本」という連載を6年ほどさせてもらったこともありました。
見開き2ページの連載でしたので、その時ごとにテーマを一つ決めて、5冊の絵本を紹介するスタイルを取っていました。
年4回の季刊誌だったので、120冊の絵本を紹介したことになります。

本書は、その時の連載を元にして、それ以降の絵本もつけ加えながら第2部を作成しました。
新学期、出会いの時期にふさわしい、子どもたちをひきつける要素がいっぱい詰まった絵本を、テーマ別に50冊紹介しています。
タイトルや内容だけではなく、子どもたちの反応も書いていますので、教室で読むときの参考になると思います。

そして、第1部では「なぜ、教室で読み聞かせをするのがいいことなの?」というお話を書きました。

今のように「学校現場で絵本の読み聞かせをする」ことが広まる以前から、実践していらっしゃった先生方はもちろんたくさんおられたのです。
その中には、実践を書籍にまとめて出版された方も何人もいらっしゃることが今回調べてみてわかりました。
ただ、それらの本は今書店の店頭に並ぶことがかなり少なく、ネット上でもその気になって探さなければ目に触れないのではないかと思われます。

今回「なぜ、教室で読み聞かせをするのがいいことなの?」というテーマで第1部を書くにあたり、そういった諸先輩方の知見や、今の現場の先生方の実感も取り入れつつの構成を試みました。
絵本の読み聞かせが、「子どもたちが喜ぶもの」だけでなく、学級経営にも大きな力となっていることを改めて知ることができると思います。

この本があなたの「読み聞かせ」に関するお困りごとの解決に役立ち、明日から読み聞かせを始めよう、読み聞かせを学級経営にも取り入れていこう、と実践していく力になれば、とてもうれしいです。

***この本を手に取ってくださったあなたにプレゼント***

◆全国の先生たちイチ推し!子どもたちに人気抜群の絵本33◆

第2部ではご紹介できなかったけれど、子どもたちに人気の絵本はまだまだあります。
そこで、全国の先生方からおすすめ絵本を紹介いただきました。
第2部の50のリスト同様、先生方の読み聞かせ実践にお役立ていただけたらうれしいです!

目次
はじめに
第1部 なぜ、教室で読み聞かせをするのがいいことなのか?
読み聞かせをすることのよさーまずはコミュニケーション
 担任が読み聞かせをするからこそ得られるよさは?
 子どもとのつながりを感じる場面が増える
 子どもたちに価値を伝えることができる
 言葉や文化を伝えることができる
 教室の空気を作ることができる
 「読み聞かせ」は、絵本を介した、担任と子どもたちとのコミュニケーションの場
 理屈より何より、まず楽しんで読もう!
第2部 子どもをがっちりひきつけたい! 新学期の読み聞かせはこの絵本で決まり!
 第1章 まずは「短く」「楽しい」絵本で成功体験を重ねよう
 第2章 やっぱり、変化のある繰り返しが楽しい!
 第3章 先生自身が楽しもう!~とにかく楽しい絵本はこれ!~
 第4章 学校ってどんなところ?どきどきわくわくの新一年生に読みたい絵本
 第5章 読み聞かせの年齢に上限はない!~高学年でも読み聞かせ~
 第6章 ともだちはたから ともだちはちから~友だちがテーマの絵本~
 第7章 あなたのままでいいんだよ~新しい環境に不安な子のために~
 第8章 絵本界のロングセラー 世界の名作編
 第9章 絵本界のロングセラー 日本の名作編
 第10章 絵本界のロングセラー 日本のむかしばなし編
第3部 どうしたらいいの? 読み聞かせQ&A
 1 読み聞かせの絵本は、図書館から借りていますか?それとも自分で購入していますか?
 2 何年生まで読み聞かせをしますか?
 3 学年ごとの鉄板ネタ(鉄板絵本)がもしあったら知りたいです。
 4 読み聞かせをする時間帯は決まっていますか?
 5 読んだ後感想は求めますか?
 6 上手に読む自信がありません。練習は必要ですか?
 7 新しい本の情報はどこで手に入れますか?
 8 どこに立って読んでいますか?
 9 おしまいの儀式はありますか?
おわりに

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