著者:SUDO HIDEHIKO
ページ数:53

¥300¥0

目次

はじめに
1章 社会人大学院とは
2章 修士への道
3章 博士への道
4章 博士号取得はゴールではなくスタート
おわりに

はじめに

 この本を執筆するにあたって書類を整理していたところ、早稲田大学大学院卒業祝賀会での私のスピーチメモがでてきました。ちょうど博士課程4年間の様子がダイジェストされており、よい導入になると思うので、ここでご紹介させて頂きます。

【卒業祝賀会スピーチメモ】
 早稲田大学大学院スポーツ科学研究科博士課程入学時の指導教員である中村好男先生との面談メモ 於所沢キャンパス717号室(2007.3.12)
 
 (この頃はまだ神戸在住でした。神戸から上京して、中村先生にご挨拶をしたときのメモには、次のようにありました。)

・博士論文の執筆とは、人に見せる、人のためになる論文を書く能力を身に着けるプロセスである。
・そして、何が今の自分に足りないかを認識することが重要。論文を投稿する体験を通じて、何が足りないかをつかむこと。
・最後に、論文作成に当たっては、先ず仮説を作ってから、検証(調査)すること。

 博士課程4年間を振り返ってみると、この初心を忘れないように努めてきたものの、思った通りにはなかなか行かなかったように思います。
 修了の直近半年間を振り返ってみると、
・特に最後の最後まで粘ったラスト3ヶ月が印象に残っている。12月の口頭試問では、始まる30分前まで、パワーポイントの修正作業。配布資料が完成したのはわずか10分前だった・・・(笑)。また口頭試問後の博士論文の修正作業では正月返上で何度も徹夜をした。
・おかげ様で、なんとか博士課程を修了できたのは、あきらめずに最後まで粘り強く頑張ったことは勿論だが、やはり何といっても中村好男ゼミのチームとしての指導・教育体制によるところが非常に大きいと感じた。中村先生のゼミでご指導をいただいたことは本当に幸せなことであると思っている。
・修士時代から通算すると7年が経過した。一般企業で言えばやっと一人前として扱われる時期である。今後は新たな場に身を投じて、何か社会に役に立つことができればと日々考えている。諸先輩方には、どうぞご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いしたい。
・最後に、4年間を通して辛抱強くご指導いただいた中村先生・岡先生、本当に有難うございました。また論文作成にあたって、父親と同じ年齢程の私に叱咤激励をいただいた同僚のHさん、そして社会人の立場からご声援をいただいた社会人クラスの諸先輩方には、この場を借りて御礼を申し上げる。

 私のスピーチを聞いた中村先生は、面談メモについてコメントをしてくださった。そのなかで、「須藤さんは放送大学のように通信教育のようなカタチで博士学位を取りたいと言ったが、その当時、私はまさか、学校の研究室に来ないで、ほんとうに博士学位がとれると思っていなかった。須藤さんの勘違い、いや、思い込みの強さと、最後までとれると信じて疑わなかったことが学位取得につながった」とおっしゃった。

 こうして、私の博士号取得への旅は「大いなる勘違い」から始まったのです。
 

1章 社会人大学院とは
社会人の学び直し

 政府が“社会人の学び直し”の機能強化を提言したことからもわかる通り、社会人が大学院で学ぶということに対する関心が高まっています。従来、大学院で学ぶ社会人のボリュームゾーン(最も多い年齢層)は20代後半から30代前半でしたが、最近は大学院への進学者の中に、50歳前後の中高年サラリーマンが増えているといいます。
 これは今までになかった新しい傾向です。この変化には、企業が、65歳雇用義務化によって、会社に依存するのではなく自律的に自分自身のキャリアを磨く社員を求め始め、50歳前後の社員が、これまで以上に出向・転籍・早期退職などの厳しい選択を迫られている、という背景があると思われます。今後、彼らが生き残っていくためには、自分の能力を高め、キャリアと向き合うことが必要になってくるといえるでしょう。
 本書は、こうした背景の中、今年、還暦を迎え、大手百貨店を定年退職する著者が、50歳からのサラリーマン人生において、働きながら博士号取得に成功した姿をセルフ・ポートレイトすることで、同じ時代を生きる中高年サラリーマンへ勇気と希望を届ける応援の書であり、豊かなセカンドライフを創造するための人生の戦略書でもあります。
50歳からの10年が定年後を決める。「何時やるの?今でしょ!」
本書で紹介する内容が、中高年サラリーマンの新たなキャリアデザインのきっかけとなれば幸いです。

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