著者:椋木修三
ページ数:180

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あるところで「記憶術セミナー」をした時の話です。病院の部長をやっておられるという医師が、わざわざあいさつに来られました。そして、こう言うのです。

「私は、高校三年生の時、担任に『医学部を受けたい』と言い、『おまえがか? この成績で受かるはずがない』とバカにされ、奮起して記憶術を使って勉強した者です。お陰で医学部に受かり、今は病院の部長をしております。私が使ったのと同じ記憶術を息子にも教えてやりたくて、本日、受講に連れて来ました」と。

 記憶術を使った勉強で人生が変わったこのような方は、結構多いものです。

 私は本来、勉強法というのは、自分で独自に見つけ出していくものと思っています。Aさんに有効な方法であっても、Bさん、Cさんにはそうでないかもしれません。その逆もあるでしょう。

 ただ、人生は、基本的に、どんな人にもチャンスが平等に与えられ、同時に、どんな人も平等に困難に出会うようになっています。勉強も、トントン拍子に進む時があれば、行きづまることもあるわけです。

 私が願ってやまないのは、そうした困難の時、行きづまりを打開するヒントを記憶術から見つけていただければということです。

 記憶術からは、Aさんも、Bさん、Cさんも共通して、自分なりのヒントを見つけられると思います。

 私は結構「ノー天気」な人間でして、性善説の立場をとっています。能力についても、一人一人が、自分で自分の問題を創造的に解決する力を持っていると思っているのです。ですから、勉強に行きづまっても、ヒントさえあれば、必ずそれを打開していくことができるはずです。

 芸術家の岡本太郎氏が、生前、「今可能性がないのに、将来に可能性があると思うな」というようなことを言っていました。私は当初、「それじゃあ、俺には夢も希望もないじゃないか」などと思ったものです。ですが、今は、岡本氏は「今現在を一生懸命生きよ。そうすれば将来の可能性が出てくる」と言いたかったのではないかと想像しています。

 私は「やがて」という言葉が好きで、自分自身にも、暗示語として「やがて~になる」を使い、相談に来られる方にもお勧めしています。同時に、「やがて~になる」という暗示が現実化するには、今、自分のなすべきことをしたからこそ、本当に「やがて~になる」のだとも思うのです。

 本書がみなさんの「やがて~になる」の一助になればと念じております。今日現在を、一生懸命、自分の能力を出し惜しみすることなくお生きになるよう、心から願っております。

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