著者:追田 亜斗夢
ページ数:179

¥218¥0

〈あらすじ〉
時代は天保の改革の真っただ中。老中水野忠邦の命により町役人の早期定年制が施行さ
れ、奥山兵庫もその対象になっていた。北町奉行遠山影元は、旧友でもある兵庫の跡目
を案じて、莉生に同心職を継ぐことを勧める。婿を迎えるまでの暫定とのことであるが、
遠山には莉生の剣の腕を役目に生かしたいとの思いがあり、兵庫には特命同心として後
進の実戦指導に当たらせ、莉生には若手現職の戦力不足を補わせる狙いがあった。
兵庫の同心職退任の慰労と莉生の跡目相続を祝って、家族で箱根へ湯治に向かう途中、
山中で賊に襲われていた大黒屋の一人娘、奈菜緒と伴の手代、女中頭を助けることにな
った。
奈菜緒の勧めで宿替えをして夕餉を共にした莉生たちは、翌日の箱根見物に一行を連れ
立つことになったが、今度は奈菜緒を誘拐目的の賊に襲われる。兵庫の機転と莉生の華
麗な剣で退治する。莉生の容姿と強さに、本当の性別を知らない奈菜緒は心を奪われ、
積極的にアプローチをするが、当然ながら莉生は逃げ腰になる。
江戸に帰り、莉生の奉行所勤めが始まり、世間を騒がせている“怪盗黒猫”事件を志願
して担当することになった。“黒猫”は貧しき者に施しを行う義賊で棒高跳びの特技を
駆使して上空からの攻撃を得意としていた。莉生はご政道を守るためには容赦できない
との固い決意で臨み、兵庫の協力者である蕎麦屋の玄太、魚屋の太一の協力を得て“黒
猫”を捕らえる。が、正体は黒田左馬之助という孝行者の若侍だった。莉生は大黒屋惣
右衛門の力を借りて、左馬之助母子を大坂に逃がすことにした。
初仕事は無事に落着したが、今度は改革内容で敵対する南町奉行鳥居の手の者による襲
撃を受けた遠山の身辺警護に当たることになった。
“裏同心”と呼ばれる敵は、旗本の次男、三男のならず者を集めた殺人集団であった。莉
生の評判を知る彼らは南町の特命同心を廃止して仲間に引き入れようとしたが、立岡ら
はこれに応じず、家族を人質にしての強要策に転じた。
睦月の雪の日、“裏同心”は遠山襲撃を決行した。莉生に加勢する兵庫と北町の特命同
心、松井裕之進の活躍でこれを撃退する。妻を人質に取られ、止む無く一味の企てに加
わった立岡は、莉生との勝負に敗れ、遠山に刃を向けたことの自責の念から自ら命を絶
つことで詫びを入れた。
 奈菜緒の婚約が決まり、莉生の心境に変化がみられることを感じた遠山と兵庫は縁談を
進めることに合意したが・・・。

シリーズ一覧

 

  Kindle Unlimitedは、現在30日間無料体験キャンペーンを行っています!

この期間中は料金が980円→0円となるため、この記事で紹介している電子書籍は、すべてこのKindle Unlimited無料体験で読むことが可能です。

Kindle Unlimited 無料体験に登録する