著者:牧野 静六
ページ数:82
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主になじみのある経済指標や金融市場のデータをベースに図表を作成し、過去のトレンドや傾向値を取り上げ、全体像の理解が進むようにご案内いたします。また、円・ドルの為替相場に影響を与える対日貿易や日米金利差にも触れて、どのような状況になっているかも取り上げました。
実際の米国経済や金融市場が今どのようになっているかを自分の眼で見て理解を深めてみませんか?
経済・金融データの図表で過去のトレンドや傾向値を見ることによりイメージしやすくなり、説明を加えますので全体像が分かりやすくなります。図表は客観的な経済データをもとに作成していますので、仕事や投資の参考にできると思います。
FPや個人投資家の方を対象においていますが、銀行や証券会社などの金融機関の法人営業の方や事業法人の資金・財務や経営企画の方などにも有用になるように編集致しました。
目次
Ⅰ初めに
Ⅱ米国経済の今
①実質GDP成長率
②消費・所得関連
③企業活動
④住宅・建設関連
⑤雇用統計関連
⑥国際収支関連
Ⅲ米国の金融政策の現状
①政策金利の動き
②FRBの総資産とマネーの状況
③米国の貨幣乗数と日欧との比較
Ⅳ米国の金融市場の実情を見る
①長短金利と物価の動き
②長短金利スプレッド
③イールドカーブ
④株式相場の割高感
⑤ハイイールド債券市場を見る
⑥企業や消費者の債務状況を確認
⑦不動産市況を見る
Ⅴ今後の経済動向~貿易摩擦や政治的な影響を考える
①今後の経済成長率見通し~国際機関から
②インフレ指標と見通し
③財政収支を見る~国債増発懸念、金利上昇を強める
④まとめ
Ⅵ補足:為替への影響~対米貿易や日米金利差を見る
①対米貿易
②日米金利差と購買力平価
Ⅵ終わりに
(抜粋)
Ⅰ初めに
混迷を極める日本経済。
米中の貿易摩擦や日米の貿易交渉など不透明感が強くなっています。その中でも米国の影響は最も大きいと言わざるを得ないと思います。米中貿易摩擦の問題をきっかけに、米国の経済市場や金融市場の影響は中国にも及ぶことがクローズアップされてきました。貿易だけではなく、金融の面でも米ドルの調達やコスト面などが悪影響を及ぼすこともわかってきています。米中の間に立たされている日本やその他の国々にも悪影響が大きく、不安定な状況が続いています。
そうした中、世界最大の経済・金融市場が今どのような状況になっているかを、公に発表されている経済データをもとに図表で見やすくし、解説も加えて、読者の皆さんが米国経済・金融市場に対する概要がスムーズに理解できるように主要な経済・金融データをまとめました。主に図表は米国のFRBのFRED(Federal Reserve Economic Data)というデータサイトを利用しています。そのため私の恣意的なデータの修正などは一切ありません。また、その他のデータ分析も、公のデータを使っているので客観的で事実を表していることは言うまでもありません。
今回、データや図表がファイナンシャルプランナーや個人投資家の方を中心に編集いたしましたが、法人の金融ビジネスに携わっている方や大企業の経営企画や財務関係をしている方などにも参考になるように企画しました。一般的に、海外の経済・金融情報はブルンバーグやロイターなどの電子機器を利用しないと詳しい情報がなかなか見ることができない上、金融機関からの偏った短期的な情報だけでは理解しにくいと思っていたのが最初のきっかけです。その後、経済や金融関連のセミナー講師などをしているうちに関連データを調べることが必要になったにもかかわらず、ブルンバーグやロイターなどから高額な契約料金を支払ってまで利用するわけにはいかず、自分で試行錯誤しながら見つけていったことがベースになっています。
そうしているうちに、「お、いけるじゃないか。」、「なるほど、こうやればいいのね。」、「情報提供している金融機関の発表もなおざりだね。」など、いろいろわかってくるようになったわけです。もちろん、私も金融機関に勤務していた頃はこういった電子機器を利用してビジネスをしていたわけですが、自分でデータを最初から取り出して加工するということはできませんでしたし、それをやる必要もありませんでした。何故なら、「経済調査機関や経済調査部に在籍しているアナリストじゃあるまいし、そんなことに時間をかけるくらいならビジネスを優先しろ。」という暗黙の了解があることや、会社が電子機器の契約料金を支払ってくれているので費用の心配をする必要性もなかったわけです。しかし、今や状況がガラリと変わり、自分で何でもしなくてはいけなくなり必要に迫られて覚えていったわけです。
「そういうことなら自分でやってみよう。」という読者の方もいるかもしれません。大いに結構なことです。是非やってみてください。但し、データの出所先を探し出すには時間がかかることや、英文の経済用語やデータの処理の仕方を知っていること、ある程度の経済や金融市場の知識などが必要となり、それらが問題なければ十分可能です。この本はそういう手間をかけずに、もう少し米国の経済・金融市場の流れを知りたいという方向けに作成しました。
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