著者:山本萠美
ページ数:117

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早稲田実業学校初等部は伝統ある早稲田大学への推薦制度を持つ小学校として絶大な人気があり、首都圏でも屈指の受験難易度を誇っています。アトリエ萠美では、小学校受験の2トップと言われている早稲田実業学校初等部と慶應義塾幼稚舎に合格できる絵画工作スキルを身につけてもらう事を目標に掲げて、日々のレッスンに励んでいます。

早稲田実業学校初等部の考査日は11月初めから開始するのに対して、慶應義塾幼稚舎は早稲田実業学校初等部の一次試験が終了する時期から考査が始まるので、受験スケジュール的に両校の受験が可能になる生徒さんが男女共に出てきます。
絵画工作力を確実につけた結果、可能性を広げる意味で両校を受験したところ、両校から合格をいただいた素晴らしい生徒さん達がいました。結果としては喜ばしいのですが、そのような場合は別の意味で嬉しい悩みが出てくるのです。
「どちらの学校に進学したら良いのか決めかねて迷っています」と連絡をいただき相談を受けたことも何度かありました。

また第一志望校を早稲田実業学校初等部に定めて受験の準備をしていた生徒さんが慶應義塾幼稚舎から合格をいただいたり、その逆で慶應義塾幼稚舎を第一志望にしていたにもかかわらず、早稲田実業学校初等部から合格をいただくケースもありました。
そのような結果から考えると、2校とも準備しておく絵画工作スキルは同レベルと判断していますが、一次試験でぺーパーがあり二次試験に面接がある点では、早稲田実業学校初等部の受験準備の項目は多岐に渡り、万全の準備がより必要だと思います。

当然のことながら、毎年のようにアトリエ萠美からも多くの生徒さん達が早稲田実業学校初等部を受験しています。
しかしながら、絵画や工作が出題される一次試験を通過する生徒さんはいても、二次試験を通過することができずに早稲田実業学校初等部からご縁をいただけない生徒さんが多く、いつも残念に感じていました。
『面接練習は各々が幼児教室で行っているので、私が関われることではない』と自分を納得させて諦めていましたが、それでも「早稲田は二次試験でだめでした」との報告を受けると、歯痒い気持ちになるのが常でした。

その頃からでしょうか、何か打開策は無いものかと考え始めるようになり、絵画工作の出題内容だけでなく、二次試験の面接で聞かれる内容にも注目してみることにしました。
その理由は、面接試験での先生方からの質問や生徒さんの答えの中に早稲田が求めている生徒像があり、それを絞り込んでいけば、日々のアトリエでのレッスンに反映できることがあるかもしれないと考えたからです。

そこで、早稲田実業学校初等部に合格された生徒さんと保護者の方々に協力していただき、面接試験で先生方から受けた質問に対して、当日生徒さんがどのように答え、その答えに対してどのような掘り下げ質問が行われたのかを可能な限り思い出してもらい、記録しデーターとして蓄積していきました。

すると、聞き取った内容から共通点が浮かび上がってきました。

目次
第1章   一次試験
第2章   二次試験
第3章   兄の受験
第4章   妹の受験
第5章   母親講座
あとがき 教育はアートになる

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