著者:真実良
ページ数:57
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【はじめに】
競馬ファンなら誰しもが自分自身の中で持っている最強馬という定義。
しかし、第1巻ナリタブライアン~シャドーロールの怪物編~でも記述しましたが、公式的に最強馬を決定する定義もなければ、生まれた世代が異なるため比べることが不可です。
それでも我々競馬ファンは、あの馬が最強馬だ、いや、こっちの馬の方が強い。などあくまでも人間同士の想像上で競馬話に花を咲かすことでしょう。そこが競馬の面白いところでもあります。
では、少し見方を変えて。
最強馬は人それぞれに違いますが『本当に強い馬』そうと言われると皆さんなら、どうお考えですか?
競走馬には、怯える性格を考慮し調教師や騎手が、その馬に合わせた脚質を考え勝利に導きます。
例えば、第1巻のナリタブライアンなら先頭集団に構え直線で一気にスパートするタイプやディープインパクトのようにレース前に気合が入り過ぎてスタートがあまり上手く出られないため、後方待機にて最後一気に抜き去るタイプなど様々ですよね
。
ところが、スタートからポーンと飛び出し先頭に立つ。そして、そのまま他馬に影を踏ませないまま勝ってしまう。いわゆる、逃げ脚質と言われるタイプの馬はどうでしょうか。
『逃げ』は、極度に馬群内を怯えてしまうために取る1つの戦法ですが、ほとんどの場合、スタミナ切れによってゴールまでに後続集団に交わされるパターンが多いです。
通常は、とにかく怯えを避けるため逃げて他馬のペースを惑わし何とか逃げ切って勝つという騎手の手腕が考慮されるため、競馬では逃げて勝つのは難しいとされています。
しかし、自身のペースで走り、後続が追いつくことなくレースが終わる。要するに他馬が追いつけないほどのスピードとゴールまで脚色が衰えないスタミナを持った逃げ馬を想像してみてください。
このような馬が存在すれば、誰も追いつけないのだから本当に強い馬と言えるのではないでしょうか。
ある競馬評論家は、こう言いました。
「この世で最も強い馬はハイペースでそのまま逃げ切ってしまう馬です。追いつこうとして追いつけないのだから、強いわけですよ」と。
まさに先述した自身のペースで、そのまま他馬に影を踏ますことなくゴールまで逃げ切ってしまう馬です。
そんな競走馬は、存在しないでしょう。と思われるかも知れませんが、今から20年ほど前、追いつきたくても追いつけない、そんな異次元の走りを魅せた競走馬が存在しました。
(以下本文に続く)
記憶に残る名馬たち 2
目次
【はじめに】
【序章】 偉大な父の最高傑作
【第一章】 若さゆえに
(1)前評判通りの活躍
(2)精神的な若さ
(3)再試験からの日本ダービー
【第二章】 もがき苦しんだ4歳後半戦
(1)主戦交代
(2)真骨頂の兆し
(3)ストレスを抱えたまま
【第三章】 彼を生かすには
(1)天才との出会い
(2)伝説の快進撃
(3)影も踏ませない走り
【第四章】 GⅠ馬という勲章
(1)主戦が乗れない
(2)代役は剛腕
【第五章】 伝説のGⅡ、そして……
(1)1歳下の怪物たち
(2)大欅に棲む悪魔
【最終章】 スピードの向こう側
【おわりに】
第2巻は
~異次元の逃亡者~ サイレンススズカ編です。
※第1巻のナリタブライアン編も合わせて宜しくお願い致します。
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