著者:小林道憲
ページ数:20

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今日、われらの地球文明は、画一的で均質な都市空間によって占められ、多様性をもった文化が駆逐されつつある。政治的にも、自由と平等が行き渡り、社会は水平化してきている。文化的にも、グローバルな大衆文化が支配し、文化は低い方に平均化されている。
同じようなことは、古代ローマ文明でも起きたことであり、古代ローマにおいても、社会は平均化、大衆化し、文化は一様化していった。この文化の一様化と水平化は、文明の衰退の兆候ではないか。
21世紀の地球文明と古代ローマ文明の比較をしながら、文化の多様性について考える21世紀論。
(小林道憲〈生命の哲学〉コレクション7 『二十一世紀を読む』 ミネルヴァ書房 2017年 所収)

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