著者:廣畑貴博
ページ数:42

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 本書の目的は統計と近代社会の繋がりを考察することにある。近代社会とは何か、と言う問いに対して1つの答えを与えるとするなら統計化された社会ということになるのではないか、というのが私の主張である。近代を考える上で産業革命やフランス革命などの出来事、あるいは啓蒙思想、資本主義、個人主義などの思想などがキーワードとして挙げられるだろう。二つの出来事とそれを前進させた思想を現在にも続く決定的なものにする役割を果たしたのが統計である。そして国民国家の土台となったものが統計である。

 人は普段見ているもの、接しているものには気付かない。これは統計に対しても言える。自分にとって、社会にとって当たり前になっていることが実際には私たちを大きく規定している。客観的な分析には限界があることは確かだ。『汝自身を知れ』と言うが、自分自身のことはなかなか理解できないものだ。しかし、私たちはどのような社会に生きているのか、少しでも客観的に考えることはメタ認知を高めることに繋がるのではないかと思っている。近代国家の権力のあり方を炙り出したミシェル・フーコーのように。

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