著者:おにつか るみ
ページ数:169
¥800 → ¥0
―教員はすぐ子どもを評価しますが、教育ってもっと長い営みなのですね―
サラサラとしたきれいな髪でとびぬけて白い肌をもった大人しいその女の子は、なぜ突然授業中に大声で笑い出したのか。隣の障害児学級に転入してきた笑顔がかわいい男の子が時々見せる冷たく暗い目つきの裏には、何があるのか。変わり者としてクラスで密かにいじめられていた女の子は、なぜ他人事のように自分の気持ちを話すのか――教師として長年教育に携わってきた著者が贈る、厳しい現実に向き合いながらも学校が生みだす出会いと感動の力を信じて奮闘する「さとこ先生」の教育物語。
[目次]
◇1◇ さくら
働く母になる日
「先生、きっと帰ってきてね」
復職の初日
◇2◇ 秘 密
笑わない少女
人に言えない経験
先生の体験談
告白の班日記回覧
取り戻した笑顔
◇3◇ 赤いブロック
青空学級の転入生
二つの顔
不遇な生い立ちの母
つかの間の笑顔……
◇4◇ 福の神
障がい児の放送委員会参加
「やさしさ」って何
大縄に参加させたい
大縄くぐった少女
足の速い子の日記
◇5◇ ユウジ
七年前の教え子
「この子をやめさせます」
窓のない部屋からの脱出
ゲストティーチャー
◇6◇ 気になる子
見逃した子どものサイン
リストカット
自閉症スペクトラム
協調運動の障害
母親との話し合い
受診の決断
「自分のことが知りたい」
赤い糸
あなたがあなたであること
◇7◇ 学校に行けない
〝いい子〟の長女
一年生の不登校
休職を選んだ母親
特別な夏休み
職員室登校の楽しみ
僕だけの学習室
ママ、もういいよ
母親に講演依頼
◇8◇ ステップファミリー
離婚した母と娘
新しい家庭での苦悩
すれ違う親子
「本当の子じゃないもん」
支援グループに参加
手をさしのべ合う家族へ
◇9◇ 笑って、先生!
教員仲間の欠勤
ボタンのかけ違い
揺らぎ始めた自信
子ども達のメッセージ
◇10◇ 出 発
卒業生からの手紙
教え子の結婚
新たな出会いの春
あとがき
[担当からのコメント]
社会が変化し家族のあり方が多様化するなか、教育の場で教師と子どもたちはどの様な現実を生きているのか、本書はそれを体験に基づいて描いたひとりの教師の物語です。「人間」を育てるということはどういうことなのか、ぜひ本書を読み進めながらじっくりと考える機会を持っていただければ嬉しく思います。
[著者プロフィール]
おにつか るみ
臨床発達心理士
特別支援教育士
1951年福岡県田川郡生まれ。三重大学教育学部卒業。小学校教員をした後、現在、京都府で子どもの支援塾カウンセリングをしながら、執筆活動。全国の放課後デイサービスでの職員研修も行っている。
著書に絵本『赤いランドセル』(文芸社)、「空のにおい」(新日本出版社)。
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