著者:山本 殖生
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―水景から見る熊野の魅力―
2004年に日本で12番目の世界遺産となった「紀伊山地の霊場と参詣道」。その中には、世界ではじめて「川の参詣道」として登録された熊野川も含まれている。
古くから人々の生活を支え、熊野三山に詣でる重要な交通路でもあった熊野川は、流域にある豊かな自然と歴史、熊野独特の文化と相俟って、訪れるものを「神話」の世界に誘う不思議な魅力で溢れている。
本書は、「川の参詣道」に惹かれ研究を続けてきた著者が、その自然と歴史、物語世界の素晴らしさを多くの方に知っていただくために、熊野川の交通の歴史から舟航名所に至るまで、資料と写真を駆使して「川の参詣道」を解説したガイドブックである。
世界に誇る熊野の文化を知る一書として、また昔ながらの川舟下りの旅のお供として、格好の内容となっている。
「目次]
はしがき
I 熊野詣の熊野川舟航
1 熊野三山と聖なる川
2 熊野詣の〝大動脈〟
3 本宮の発着場
4 新宮の発着場
5 途中の休憩所
6 所要時間
7 船の構造・種別
8 運航主体
9 熊野川の関所
10 船頭の技術
11 欠航・遭難
12 江戸時代の舟運
13 明治時代以降の舟運
Ⅱ 熊野詣の峡谷景観を下る
1 舟行名所を語る
2 本宮から敷屋へ
3 敷屋から宮井へ
4 宮井から田長へ
5 田長から小鹿へ
6 小鹿から浅里へ
7 浅里から新宮川原へ
8 魅力ある文化的景観
引用資料一覧(略称)
名所位置図
Ⅲ 熊野川舟航の記録
1『中右記』(抄)天仁二年(一一〇九)
2『熊野道之間愚記』(抄)建仁元年(一二〇一)
3『修明門院熊野御幸記』(抄)
4『後鳥羽院・修明門院熊野御幸記』(抄)
5『経俊卿記』(抄)建長六年(一二五四)
6『経俊卿記』(抄)正嘉元年(一二五七)
7『熊野詣日記』(抄)応永三十四年(一四二七)
8『熊野遊記』(抄)安永二年(一七七三)八月一七日(本宮から新宮へ)
9『南紀遊嚢』(抄)寛政十一年(一七九九)一月五日(本宮から新宮へ)
10『三山記略』(抄)享和二年(一八〇二)五月十二日(新宮から本宮へ)
11『溯熊野河十首』享和二年(一八〇二)(新宮から本宮へ)
12『熊野真景図巻』(跋文)享和二年(一八〇二)
13『中辺路・大辺路及熊野川図』の内「熊野川図」(抄)江戸時代後期(本宮から新宮へ)
14『老の苧環』熊野逸事下(抄)明治二年
15『三の山踏』(抄)明治三年(一八七〇)九月十三日(本宮から新宮へ)
主要参考文献(Ⅱ・Ⅲ章で紹介のものは除く)
あとがき
著者略歴
[出版社からのコメント]
熊野という地が持つ独特の宗教世界は、平安の頃より多くの人の関心を集めてきました。熊野古道というと陸路のイメージが強いですが、水路は体力の有無にかかわりなく、しかも水上からしか眺めることのできない景観を楽しめる点で、陸路とは異なる魅力を味わうことができます。
本書によって、多くの方が「川の参詣道」に興味を持っていただければ嬉しく思います。
[著者略歴]
山本 殖生(やまもと しげお)
1949年和歌山県新宮市高田生まれ。明星大学人文学部卒。1976年新宮市教育委員会の文化財担当、1983年みくまの総合資料館準備室学芸員となり、以来熊野信仰の調査・研究を重ねる。新宮市役所熊野学情報センター準備室長を経て、現在、新宮市教育委員会学芸員。熊野三山協議会幹事、国際熊野学会事務局長、熊野歴史研究会事務局長、日本山岳修験学会理事。編著書『別冊太陽 熊野』(平凡社・2002年)、『熊野本願所史料』(清文堂出版・2003年)、『熊野年代記』、『熊野古道小辺路調査報告書』、『熊野古道大辺路調査報告書』。
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