【無料で読める】ぼくはＹＯＵチューバー

勉強も運動も友達と話をすることさえも、うまくできないけど、想像力豊かな小学４年生の村上ヒカルは、いつも教室で一人ぼっちで過ごしていた。
そんなヒカルの唯一の楽しみはYOUチューブを見ること。
そしてある時、ヒカルは自分もユーチューバーになることを決意する。
近所に住むお兄さんに教えてもらいながら、想像力を発揮してユーチューブの動画を撮影する。
動画を投稿して晴れてユーチューバーになれたヒカルは次第に自分に自信を持つことができるようになり充実した時間を過ごしていた。
ある日、憧れのクラスメートに良いところを見せようと段ボールでできたホームレスのおじさんの家を壊す動画を撮影し投稿する。
それ以降、動画の再生回数も増え、クラスの中でも注目される存在になるが、少し危険で刺激的な動画を求める周囲の期待に応えられないと、また一人ぼっちになってしまう怖さから、ヒカルの動画はどんどん過激になっていく。
そして、ついに飼い猫の尻尾に爆竹をつける動画を撮影して投稿する・・・
動画の投稿を通して自分の存在意義を確かめながらも、ありのままの自分を見失っていく。
ネット社会にある様々な問題が現れながらも、「本当の友達とは何か」「自分らしく生きていくとは何か」を探し求める一人の少年の物語。