著者:すずきゆめ
ページ数:59

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貴族の末裔達を集めた某私立医大。折しも心療内科医局では、芹香院教授を囲んで、臨時医局会が催されている。金を積まれ、いとも簡単に某国立大学医学部から引き抜かれた三条、某私立医大から、端金で売られた後六条小鈴、生来ぼうっとしているため、持参金付きで引き取られた東周寺の三人の医局員と四人の研修医、黒小路竜麻呂、またの名を袋小路フニャマロ、紛らわしい名の紀ノ貴之、通称ツラユキ、いまだ栄える堀川家のととの宮、特殊な薬が好きな薬師大心。心療内科には分厚い福耳をゆらす芹香院教授の、有難い満月顔を曇らせることのない選りすぐりが集められていた。皆、金には目がなく、隙をみては企み事を謀っていた。しかし、蚊取線香の十倍は効くが、子だくさんになるという強い副作用をもつ「蚊取万香」など、禄なアイデアはなかった。
浮世離れした教授を補佐して金の匂いに敏感な白川助教授は、今日も三条の胸ポケットの中ののし袋を嗅ぎつけては巻き上げる。しかし、皆懲りもせず、今度こそはと外来ナースの北条を含めて周到な計画を立て、「指名往診制」で一儲けを狙うのだった。
企画は当り、儲けた金で闇のハワイ医局旅行を催すまでになるが、何事につけ小鈴に牛耳られ、面白くない研修医達は、旅行先で美貌の三条を好物の金で釣り、じゃじゃ馬馴らしを依頼する。小鈴は三条の調子の良さに心を許せない。程なく儲る指名往診制は白河にばれ、医局業務としてただ働きをさせられる羽目になる。三条は抵当に入った屋敷のかたに、財産家の娘との結婚を選ぶ。立派な三条の結婚披露宴。小鈴は家名に縛られない平凡な結婚を望むが、どっちにしても小鈴の寿退職など当面まず無理だろう。研修医達のぼやきは続く。「ああ、不調。」

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