著者:ひとみ
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お空にかえった赤ちゃんから、ママに贈る愛のメッセージ絵本。

ふわふわの「タマシイ」となった「ぼく」が、お空の上からママに話しかけます。

「だいすきなママ

ちょっとだけしかいっしょにいられなくて ごめんなさい。
でも とっても とっても たのしかったよ。

ママは じぶんをせめるけど、ぼくがお空にかえったのは、
ママのせいなんかじゃないよ。

ぼくは、みじかい旅をしただけなんだよ。

だからね、

じぶんをせめなくていいんだよ。
わらっていいんだよ。
しあわせになっていいんだよ。

ありがとう ママ。 
ずっと ずっと だいすきだよ。」

 この絵本は、胎内記憶(たいないきおく:お腹の中にいた頃の記憶や、お空の上の記憶など)を持っていた息子が、
まだ小さかった頃に話してくれた実話を元にしています。

息子が話すお話は、どれもとても不思議なものばかりで、初めて聞く私にとっては、にわかには信じがたいものばかりでした。

「みんな ママやパパを選んでくるんだよ」
「お空の上にはたくさんの神様がいるんだよ」
「生まれる日も、顔も、名前も、全部自分で決めてくるんだよ」
「お腹の中からなんでも見えるんだよ」

こんな話を毎日のように聞くうちに、私もだんだんと、これはきっと〝本当のこと〟を言っているんだ!
と思うようになったのです。

 そんなある日、息子がこんな話をしてくれました。

「お空にかえった赤ちゃんは みんな笑ってるんだよ。ママ、ありがとう!って言ってるんだよ。」

その話を聞いた瞬間、私は雷に打たれたような衝撃を受けたのです。

胸がいっぱいになって涙があふれ、初めて心の底から救われる思いがしたのです。

 というのも、以前私は、中絶と流産で2人の子どもをお空にかえした経験があったからです。

そして、そこからずいぶん長い間、ただただ自分を責め続ける人生を送ってきました。

〝こんな自分に生きている価値はない〟
〝幸せになってはいけない〟
〝子どもたちに申し訳ない〟

いつしかこんな考え方が当たり前になり、世界は色を失くしていきました。

 そんな私でしたが、数年後、ありがたいことに良縁に恵まれ、新たな命を授かることが出来ました。

ただ、喜びと同時にいつも心に浮かんでくるのは、

「こんな私が幸せになってもいいのだろうか、、、。」
「ママになる資格などあるのだろうか、、、。」

という思いでした。

それでも、無事に子どもが生まれた瞬間、

私は心からの感謝と、今まで感じたことがないほどの大きな幸せを、素直に感じることができたのです。

 そして、初めての子育てに悩みながら日々を過ごす中で、ある日突然、息子が話し始めた胎内記憶。

少しづつ薄れてはいても、決して消える事のない悲しみや罪悪感を人知れず抱えて生きていた私にとって、

息子の不思議な話は、いつしか私の心に優しい明かりを灯し、癒してくれたのでした。

〝子どもが親を選ぶこと〟

〝生まれる日や、顔や名前を自分で決めてくること〟

そして何より〝お空にかえった子どもたちが笑顔でいるということ〟を知った時、

私の世界は、まるで魔法のように色を取り戻し、本当の意味で〝救われた〟と感じたのです。

 そんな体験をした私が新たに持った願いが、

「過去の私と同じように辛い思いをしている人たちに、なんとかしてこのお話を伝えたい!」というものでした。

こうして生まれたのが、絵本〝ママへの手紙〟です。

「赤ちゃん」という形で、この世で生み育てる事が出来なかった2人の子どもたちを、

「絵本」というカタチで、再びこの世に生み出す事が出来たのです。

そして、それは、あの子たちの命の願いであり、その大きな愛のメッセージは、より多くの人の心を明るく照らすことができるのだと信じています。

絵本制作と同時に、私は、志を同じくする友人と2人で、わが子をお空にかえした方のための心のサポートをする自助グループ「結いのひかり」(ゆいのひかり)を立ち上げ、代表として活動を始めました。

また、よりよいサポートが出来るようコーチングも学び始めました。

 ある時、そのコーチングの先生のセッションの中で、私の人生を変える一言に出会ったのです。

それは、私の経験を初めてお話した際に先生がおっしゃった言葉でした。

「あなたは〝命〟を守ろうとされたのですね」

私は、最初、何を言われているのか全く理解できませんでした。

なぜなら、私はずっと、わが子の命を守るどころか、失くしてしまったとしか思えず、
それで自分を責め続けてきたからです。

そんな私に、先生はこんな話をして下さいました。

「結果はとても辛いものだったかもしれません。けれども、その辛い経験の中でも、わが子のために考え、悩み、
最後まで生きる道を模索した事自体が、〝命〟を何よりも大切に思い、守ろうとした証拠なのではありませんか?」

 失ったものばかりを見ていた自分に気づいた私は、そこで初めて、すでに「あったもの」や「出来ていたこと」
に目を向けることができたのです。

そしてようやく、長い間、自らを縛り付けていた鎖を解き、自分自身を赦す(ゆるす)ことができたのでした。

 大切な命をお空にかえすという経験は、どんな境遇であれ、言葉に出来ないほど辛いものです。

今まさに、その渦中にいらっしゃる方は、もしかしたら、辛くて泣いてばかりかもしれません。

自分を責めてばかりかもしれません。

それでもいいんです。それは当然のことなのですから。

でも、たくさん泣いたら、ほんの少しだけ信じてみてほしいのです。

あなたがいつか必ず、

お空にかえった命からの大きな愛のメッセージを受け取れる日が来ることを。

自分の中にある素晴らしい命の光に気がつける日が来ることを。

あなたは、きっとそれができる人なんです。

大丈夫。あなたは決して独りではありません。

お空の「見えない応援団」がついているのですから。

この絵本のメッセージが、そんな気づきの小さなきっかけの一つになれば幸いです。

 最後に、絵本にするにあたり、イメージを形にして下さったのは、九州で活動されている絵本作家のみきこさんです。

また、文中の文字を書いてくれたのは、このお話をしてくれた私の息子本人です。

みきこさんの描く優しく温かいイラストと、拙い(つたない)ながらも一生懸命書いてくれた息子の文字とともに、

この絵本が、どうか一人でも多くの人の心を明るく照らすことが出来るよう祈っています。

【著者プロフィール】

佐藤 ひとみ(さとう ひとみ)

お空に2人、地上に2人の子を持つ母。
書店員。
天使ママ、パパのための自助グループ「結いのひかり」代表。
天使力コーチング認定コーチ。

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