著者:瀬川久志
ページ数:55

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 本書は、明治から昭和の初期に、仏教を中心として取り組まれた社会福祉事業に関する歴史的研究であり、従来の研究が個別の福祉事業家や思想家、事例に焦点を当てたものが主であったのにたいし、地域に根を降ろした福祉事業家のネットワークに焦点を当て、その意義を明らかにすることを目的とするものである。先行して研究した大正から昭和初期にかけて美作地域において取り組まれた美作仏教各宗自修会の分析を踏まえ、現代における地域振興など広義の福祉を含む仏教福祉のあり方を不十分ではあるが目的とするものである。そのために文献資料等の検討と現地調査を実施し、関係者からの聞き取りを併用して研究を進めた。「上」では、戦後児童福祉事業を開設した良忠寺、法然上人初学菩提寺の再整備問題、孤児救済事業に功績を残した石井十次の岡山孤児院、アダムス女史、旭川荘の設立を取り上げた。(下)では幕末の女医光後玉江、益田市の善正寺、三祖良忠上人と良忠寺、空外上人、片山潜、津田白印の甘露院、奈義町の菩提寺、医療福祉の悲眼院、武者小路の共生農園、十次の理想郷―茶臼原、近代化産業遺産・大牟田を取り上げた。最後の項目は広義の仏教社会事業であると理解している。このようなネットワークの中に共生理念の意味を考察する手がかりを得た。

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