著者:追田 亜斗夢
ページ数:130
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<あらすじ> 関八州とは上野、下野(しもつけ)、常陸、安房(あわ)、上総(かずさ)、下総、武蔵、および相模一円である。 関八州取締出役の設置により無法者は激減したが、逆に権力を振りかざし、度を過ぎた行状によって町民たちからの不平不満が高まってきた。そこで幕府は取締出役を減らして、新たに隠密集団による巡回に切り替えることにした。その一つの形態が旅芸人であった。 時の勘定奉行、遠山影元は八州取締出役の力量不足に対して町民の登用を考案。かつての道場上仲間である祐希之丞にその役目を託すことにした。 折からの贅沢禁止令で江戸での興行を開けなくなっていた祐希之丞は、この任務を引き受ける。重大かつ危険な任務故に、遠山は同輩の北町奉行所筆頭同心である奥山兵庫に依頼して、二人の腕達者な侍崩れと若者三人を配下として与える。 祐希之丞一座は最初の任務先である小田原藩に向かった。当時の小田原藩は飢饉の復興を成し得た時期とあって、町民農民に活気が戻りつつあったが、一方で役人たちの不正が横行し始めた頃合いでもあった。 依頼人の二宮尊徳が、小田原藩の不祥事を内密に処理したい理由とは?そして、その不祥事とは? 美しき座長、天見祐希之丞と一座の花形、夢香が魅せる剣の舞。
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